ジーコだけじゃない敗北の責任 2006.8.4 東欧諸国やアフリカ、アジアの選手にとって、W杯は自らを売り込むショーウインドーでもある。 もちろん、どの国の選手にとっても最大の目標が母国の勝利であることはいうまでもない。だが、生活の糧を得る場がクラブチームである以上、より高いギャラを支払ってくれるクラブへの移籍を夢見るのも、また当然のことである。 セリエAの八百長問題が大事になってしまったことで、今年はいつになく移籍市場が活発に動いている。8月31日のクローズまで、まだまだ大物の移籍が成立する可能性は十分にある。 だが、話題の中に日本選手の名前はない。これまでは、W杯が終わるごとに海外への移籍が決まる選手がいたものだったが、今回カターニアへの移籍が決まった森本は、W杯とは無縁の選手である。つまり、欧州のスカウトからすると、ドイツでのW杯に出場した日本選手の中に、触手を伸ばしたくなるような存在はひとりもいなかった、ということになる。 ドイツで惨敗を喫した要因のひとつに、ジーコ監督の無策があったことは間違いない。特に、初戦のオーストラリア戦に関しては、主審が素晴らしく日本に好意的なミスジャッジをしてくれたこともあり、最悪でも引き分けにとどめておかなければならない試合ではあった。それが、引き分けどころか1―3という無残な結果に終わってしまったのは、ジーコ監督の責任によるところが大きい。 しかし、仮にあの試合に日本が勝っていたとしても、商品としての日本選手の評価は低いままだっただろう。外国人選手として獲得するには、日本選手にはあまりにも武器がなかった。 ブンデスリーガでは、今年から外国人枠が撤廃される。EU以外の国籍を持つ選手にとってはハードルが大幅に下がったわけで、わたしは、大会終了後に多くの日本人選手がドイツに渡ることを期待していた。 だが、現実はゼロ。低くなったハードルでさえ、日本選手は越えることができなかったのだ。 オシムに期待するのもいい。ジーコに責任を押しつけるのもいい。だが、欧州のスカウトから一顧だにされなかったという現実は、敗北の責任が選手の側にもあったことを物語っている。 だから、いまわたしが期待しているのはフェネルバフチェの躍進である。ここでジーコが結果を残すようであれば、敗北の責任が彼だけにあったのではないことが証明されるからだ。 文:スポーツライター 金子達仁 |
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