ワールドカップにみるシステムの変遷

 ここ数回、W杯を境にして新しいシステムが誕生している。90年イタリア大会なら、ドイツの3バックの両アウトサイド。94年米国大会なら、ブラジルのダブルボランチにサイドに基点をおくシステム。そして、98年フランス大会なら、オランダのサイドアタッカーだ。

 そして今大会。どんなシステムがつくり出されるかと思っていたのだが、キーワードは「個の柔軟性」なのかなと思う。4強に残ったいずれのチームも、ゲームの流れのなかで、4バックを3バックに、3バックを4バックに変更して、柔軟な戦い方で接戦をものにし、のぼりつめてきた。

 逆にフランスやアルゼンチンは、相手に関係なく1点が絶対的に必要な場面でも、自分たちのシステムを貫いて結局、相手を崩せずに敗れている。韓国は劣勢となったら2バック方式までとって、点を取りに行き、ドイツの場合は、以前から3バックの余った1人は、DFやボランチに入るなど、常に時代をリードしてきた。

 結果だけでみてみると、勝つために、これからはさらに、選手個人の柔軟性が求められるようになるのか、と思う。具体的に、1人の選手がいくつものポジションをこなしていくことが必要になる。

 理論上でいえば、トルシエジャパンのフラット3は超攻撃的で、すばらしいシステム。ただ、プレーするのはサイボーグではない。あまりに組織が徹底されると、逆に個性を失い、創造的なプレーが絶滅してしまう。その意味で、ブラジルは個人を生かした最後の砦となるかもしれない。

 

2002.6.28 W杯元日本代表MF 山口素弘氏 

<夕刊フジより>  

 

 

 

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