3大陸トーナメント・スイス戦後 オシム監督会見

2007.9.12

 

■自分たちの武器を見せることがナきた

なぜ最初からあのような(後半の)プレーができなかったのか?

 説明するのは難しい。はっきり言えるのは、われわれはオーストリアに遠征して、欧州のチームと戦ったということ。皆さんもご存じだろうが、特にスイスに関しては、それほど知られていないチームではない。最近ではオランダやアルゼンチンと対戦して非常にいい成績を残しているし、チームとしては欧州でもかなりレベルが高い。われわれの選手たちも、スイスのチームや選手についての情報は持っていたと思うし、試合前にそれほど細かいことを言わずとも、それなりに情報はあったと思う。

 試合序盤については、もしかしたらわれわれは相手のことをリスペクトし過ぎていたのかもしれない。もちろんスイスは最近、いい結果残している。ただ、相手を恐れていたというわけではないが、もしかしたらリスペクトし過ぎていたのかもしれない。最初、選手には戸惑いがあった。コンビネーションするのか、キープするのか、守るだけなのか――。守るだけというのは非常に難しい。相手のFWも非常に背が高いわけだし、守るだけではやられていたと思う。残念ながら最初の2失点は、非常に安っぽいものだった。これは、相手に簡単に機会を与えて、こちらがミスをしてしまったということだが、0−2からこのような結果を残せたことについては満足している。

 正直、ここまでいい結果を残せるとは思っていなかった。2失点した後に、ある程度チームプレーが向上して、チームとしてのまとまりを証明することができたのはよかったと思う。はっきり言えることは、われわれは1対1での状況なら(勝つことは)難しいが、だからこそ数的有利な状況を作り出してプレーしないといけない。自分たちの武器として、これから磨いていかないといけない組織力、それからコンビネーションプレー、そして相手チームよりも多く動くこと、それらを見せることができたと思う。(オシムの携帯電話が鳴る)私の妻が、今どこにいるのか、と聞いている(笑)。

 

■前半25分からのゲームコントロールで、スイスと日本の立場は逆転した

ハーフタイムでの指示は? 特に相手にリスペクトし過ぎたことについては?

 もちろん、論理的に指示を出せれば一番いいのだが、実際には選手たちにそうは言わなかった。怒って指示をした。欧州であればダイレクトで指示を出すことができるが、日本では怒りながら、感情を出しながらメッセージを与えるのは難しい。後半、改善されたいくつかの点はあったが、実際には前半の25分からチーム状態は向上したと思う。

 スイスにとっては、危険な状況だったと思う。比較的早い時間帯に2点を取って、ある意味安心してしまった。そこで1点を返されてから、心理的に難しい状況になったのかもしれない。日本としては、もちろん後半が良かったというのは正しいが、前半25分くらいから、ゲームをコントロールするということにおいて、スイスと日本の立場は逆転したのだと思う。このように前半と後半があまりにも違うゲームというのは、10年に1回くらいのことだと思うが、正直なところ自分としては2−4で負けていても許していたと思う。

 重要なのは、どのような試合をするか、どのような勝ち方をするか、どのような負け方するか。最終的なスコアというのは、そこまで重要ではない。ただし、最後に思っていたのは、軽々しいプレーは、できる限りしないこと。もちろん、攻撃に関しても、守備に関しても、できる限り効率的なプレーをすること。それが重要だと思う。

 

スイスという強いチームと対戦したことで、チームに新しい力は見えたか?

 確かに、相手のレベルもあることなので、信じられなかった選手たちの一面が見えることがある。それはいい面でも、悪い面でもある。例えば、中村俊輔を前半で交代させようかと考えることがあった。しかし、ロッカールームで選手たちの様子を見ていて、それでまた判断が変わることがある。松井についても、前半にいいシーンがあったが、それ以外のプレーについてはどうだったか。ハーフタイムの様子を見て、そこで選手を代えるのか。監督としては、後半の3分、4分、5分くらいはトライさせてみたい。このまま前半と同じように、いいプレーが見られないかもしれない。そうすれば交代しよう。そう考えて選手をピッチに送り出すと、突然、人が変わったようにいいプレーをする。サッカーとは難しいもので、どのような状況になるのか、まったく読めない。後半、自分たちにとっては、非常に良かったと思う。全体的にスペースが多めにあったこともあるし、比較的簡単にボールを回すことができて、ボールがないところでの動きも良かった。最終的に自分たちが勝つことができたわけだが、得点というのはあくまですべてのプロセスの結果であって、運が良かったこともあるし、場合によってはとてもクレバーなシーンもあったかもしれない。

 

■アジアで勝ち抜くことは、欧州とは違った難しさがある

オーストリア、スイスと対戦して、いい内容で試合を終えることができた。この結果によって、日本の評価も良くなり、今後もマッチメークもしやすくなるのでは?

 おっしゃる通り、このような試合をすることで、欧州でのマッチメークが確かに楽になることはある。ただし、われわれにとって最も重要な(ワールドカップの)予選を突破する舞台は、欧州ではなくアジアである。そしてアジアには、ここ欧州とはまったく異なるメンタリティー、文化、(サッカーの)プレースタイルがある。もちろんアジアの中でも、さまざまな違いがある。旧ソ連の国々、アジアの国々、インド、マレーシア、インドネシア、香港、台湾など、いろんな国々と日本は対戦しなければならない。プラスアルファとして、オーストラリアというまったくメンタリティーと文化の違う国も追加された。

 日本代表はある意味、アジアで勝つことを義務付けられている。日本という国は、世界的に見てもカリスマを持った国だと思う。だからこそ、いろいろな国のチームがライバル心を持って(試合に)臨んでくる。そのような非常に難しい状況の中、いろいろな要素も含めて、相手が私たちとの対戦を楽しみにして、モチベーションを上げてくるという、ある意味孤独な中でやっていくということ。その場合、ポジティブになるかもしれないし、ネガティブになるかもしれない。

 確かに、近い将来、私たちのチームが一気に力を付けることは難しいかもしれない。なぜなら、私たちはアジアにおいて実力を伸ばしている唯一の国ではないことを認識する必要がある。欧州の皆さんはあまりご存じではないかもしれないが、アラブ諸国をはじめ、アジアの国々はどんどん力を伸ばしている。イエメンであったり、ブータンであったり、インドであったり、欧州でほとんど知られていない国であっても、彼らもいいサッカーをしている。特にアラブ諸国は、いい監督を招へいして、非常に速いスピードでレベルアップしている。だからアジアで勝ち抜くということは、欧州とは違った難しさがあるし、そこで私たちが勝ち抜いてこそ、本当の価値があると思う。

 

■前半はリスクを冒さずに罰を受けた。後半はカミカゼで最終的に勝った

今回の大会で優勝できたことについて

 もちろん、勝てばうれしい。残念ながら(受賞式の)写真を撮らなかったので、(メディアの)皆さんの写真を期待している。0−2から追いついて勝てたことについては、チームのモラルが良いという証明にもなるだろうし、それ以外の要素もあったと思う。幸運もあっただろうし、相手の選手がいることを忘れてはならない。相手は2−0でリードしていたわけで、ボールを回して試合をコントロールできたかもしれない。しかし彼らは最終的には違う判断をした。そして失点して、パニックとは言わないが、こちらの方が試合を有利に展開することができた。つまり、スイス人も人間だということだ。

 

選手は、後半にスイスの足が止まったと言っていたが、その理由をどう考えるか?

 簡単な答えは「偶然」ということだ。そうすれば長く話す必要はない。

 

偶然で済むなら、監督はいらないのでは?

 そのとおりだ。すべてサッカーが偶然だけなら、監督は必要はない。だが、サッカーは偶然について、いろいろ哲学することできる。すべての偶然にも、自分たちがサポートすることによって、幸運を自分たちの方に引っ張ることができる。

 

昨日の会見で「こういう強い相手と戦うことは、どの程度のリスクを冒すかという判断を磨く機会となるだろう」と言っていたが、リスクの掛け方については今日の試合をどう評価するか?

 前半の初めはまったくリスクを冒さなかった。そのため、罰を受けた。しかし後半は、カミカゼのようなプレーをしたので、最終的には勝つことができた。簡単にまとめると、こうなる。

 

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200709/at00014626.html

 

 

中村俊輔(セルティック)の談話

「チームメートの特徴がさらに理解できた」

 

後半に盛り返した理由は

 一番の理由は、やっているサッカーを変えなかったこと。ハーフタイムに、自分たちのやっていることを続けようと話した。それから監督は、サイドで2対1を作ることを忘れるなとも言った。1点を返して1−2になったとき、もっと点を取りに行く意識を持っていたのがよかった。日本が変わったというよりは、相手が落ちた。ヨーロッパのチームにはよくあるが、前半飛ばしていて、後半に止まったりする。左サイドバック(マニャン)が交代したこともあるが、向こうが少し止まった。

スイスの試合の入り方について

 日本の理想だと思う。みんなが連動して守備をするから、誰が誰をマークするという形ではなく、5メートルずれるだけでプレッシャーがかかっている。日本は1人に付いて、それからやっとプレッシャーをかけにいく。そこが違う。

今回の2試合を通じて

 10日間練習できたことは収穫。チームの個人個人のプレーの特徴が、さらに理解できた。例えば(鈴木)啓太なら、前への決定的なパスは出さないで、闘莉王に下げるパスが多い。それなら、闘莉王に下げている間に、誰かがもう走り出さなければいけない。そういうことが分かれば、自分が何をするかも考えられる。

 

 

スイス代表クーン監督会見

 

■7つもゴールがあったが、それだけ多くのミスがあった

 まず日本チームを祝福したい。今日は観客にとって興味深い、非常にいい試合になったと思う。もちろん監督としては、これほどスリリングな展開は望んではいなかった。いくつかの大きなミスもあった。ビデオを見て、もう一度さまざまな角度から分析したいので、ここで選手を批判はしたくはない。今日、7つもゴールがあったというのは、それだけ多くのミスがあったということだ。これからチームのコーチ、スタッフと一緒に、それらのミスを分析して、改善のポイントを探していくことにしたい。

 特に前半と後半のプレーの差が大きかったと思う。前半に関しては3点目の得点のチャンスがあったが、残念ながらオフサイドの判定だった。自分としてはオフサイドだったとは思わないが、そこは審判の判断を尊重したい。審判よりも、自分たちの選手がどのようなミスをしたかを分析すべきだ。前半のスイスは、非常にいい、自信を持ったプレーをしていた。後半、日本に1点を返されたことによって、心理的な面で(影響を受けて)自分たちのパフォーマンスが低下したのだと思う。

 今回のオーストリアでの10日間の遠征は非常に重要だったと思う。われわれはユーロ2008(欧州選手権)のホスト国なので予選はないが、選手にはまだまだ厳しい競争がある。2008年の春に最終的なメンバーを決める際には、今回のオーストリア遠征での選手のパフォーマンスが重要な参考になると思う。

 

■最終目標はユーロ2008

交代でチームのバランスが崩れたが

 われわれの最大の目標は、ここでいいプレーすることでなくて、2008年のユーロで素晴らしいチームになること。そのため、すべての(代表候補の)選手にチャンスを与えることで、彼らは自らのパフォーマンスを見せる機会が得られたと思う。それらを持って、スイス代表として最も素晴らしい20人のフィールドプレーヤーを選ぶことが重要である。

失点のきっかけを与えたベーラミについて

 私のポリシーとして、このような場で選手を批判はしたくない。冷静に、客観的に今日起きたミスについて分析し、それについて議論して解決方法を見つッていきたい。もちろん選手たちのパフォーマンスのレベルの違いもあったが、重要なのはわれわれがチームとしてまとまることである。

前半25分くらいで日本が盛り返した理由について

 そこまで時計を見ていないが、前半はこちらがよかった。いくつか選手交代があって、チームバランスの崩れ、パフォーマンスが悪くなったかもしれない。だが何度も言うように、われわれの最終目標はユーロ2008だ。このような親善試合は、もちろん勝つことも重要だが、さまざまな選手を送り出し、それをチェックすることも重要である。

 

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200709/at00014607.html

 

 

 

 

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