カメイ杯東北ユースサッカー(U-16)選抜大会

2004年10月4日

 

 決勝は、宮城県選抜が2ゴールを挙げたMF香川真司(FCみやぎ)の活躍で青森県選抜を4−2で下し、3年ぶり11度目の優勝を果たした。香川は前半35分に逆転弾、後半には決勝となる3点目を決めた。ボランチとして攻守に抜群の働きで、観戦した元日本代表FW呂比須ワグナー氏(35)から「ブラジルに連れて帰りたい」と絶賛された。大会後、11月のナショナルトレセンに出場する東北選抜16選手が発表された。

 

 原石が光り輝いた。宮城県選抜の流れるような攻撃は、すべてボランチ香川の足元から生まれた。反撃の芽を摘む献身的な守備を見せたかと思えば、すかさず前線へ。試合を決める2得点もマークした。広い視野で攻守に決定的な仕事ぶり。雨がやまない中、プレーには余裕すら感じさせた。薄暗さが漂うピッチで、その存在感は際立っていた。

 華麗な動きは、プロの目にも留まった。昨年現役を引退した呂比須氏も観戦。テレビゲストとして解説したが「香川選手は将来すごい選手になる。今すぐにでもブラジルに連れて帰りたいぐらい」と興奮気味に話し、将来性の高さに胸を躍らせた。J1名古屋などプロ複数チームも視察。まだ日本代表候補すら選ばれたこともない無名選手の話題で持ちきりになった。

 決して万全の体調ではなかった。前日は所属のFCみやぎで、高円宮杯(プリンスリーグ)に参加。試合後、鳥取から仙台に帰る移動に9時間もかかったが「体調は問題なかったです」と走り回った。前半35分に、左サイドの折り返しを右足で合わせて逆転ゴール。後半15分には、CKでニアポストに走り込み、頭で決勝弾。しっかり結果を残す当たりも、プロ向きだ。

 ハングリー精神もある。FCみやぎの近藤昭彦監督(31)を慕って、中学入学と同時に、故郷の神戸から単身仙台へ。当初は環境の変化で風邪をひいてサッカーどころではなかった。自己管理の意識、気持ちの強さが芽生えた。「最後は人間力の勝負と監督に言われています」。現在は寮生活にも慣れ、仙台名物の牛タンや笹かまぼこは大好物。身も心も仙台に染まりつつある。みちのくから、新たなスター誕生を予感させた。

 

【柴田猛夫 氏】2004/10/4/日刊スポーツ東北6県版]

http://www.nikkansports.com/ns/tohoku/p-th-tp0-041004-0001.html

 

 

 

 

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