海外メディアから考察する 日本敗因のワケ

 

ジーコ監督のFWの選択ミス?

W杯で監督が自身の母国と対戦するのは今回の日本−ブラジル戦で14回目であったが、その内訳は2勝3分け9敗と、“母国の壁”は厳しいということを物語る数字だ。

イングランドを率いるスウェーデン人のエリクソン監督も、2002年、06年と2度対戦しているがいずれも引き分けに終わっている。

ジーコ監督も日本代表として、母国に挑んだが、やはり1−4という大敗に終わった。

敗戦後、ジーコ監督は「オーストラリア戦に負けたことが決勝トーナメントに進めなかった原因だ」と語っていたが、フランスの新聞フィガロでは「ブラジル戦で先発させた玉田は結果を出したが、前の2戦で先発だった高原と柳沢という監督の選択は正解だったのだろうか?」と疑問符をつけた。

柳沢については初戦のオーストラリア戦でも欧州各紙から批判が出ていただけに、ブラジルとの第3戦でのFW変更は遅きに失した感がある。

「ロナウドのような選手がほしかった」と語るジーコ監督だったが、果たして本当にそうだったのだろうか……。

 

“黄金の中盤”の輝きはなく……

日本代表については、大会前からドイツやフランスのメディアでも守備の穴を再三指摘されていた。結果的には、オーストラリア戦では後半で5分間に3点を取られたり、クロアチア戦で宮本がPKを与えたりするなど、その懸念が露呈した形になった。

しかし、それ以上に誤算だったのは、日本が唯一世界に誇ると思われていた“黄金の中盤”が、その輝きを見せなかったことだろう。

イタリアとスコットランドで活躍した中村は、日本だけでなく欧州のメディアからも「日本の鍵を握る」選手と目されていた。確かに現実として中村の不調が、今大会の日本の命運を決めてしまった部分は大きかったといえよう。オーストラリア戦で足を痛め、「靴を履けない状態」とまで報道されながらも3戦すべてに出場したが、彼の本領を発揮せぬままW杯を去ることになった。

また、中田英寿は「日本の象徴」といわれながらも、それ以上の存在ではなくなったとして扱われ、フランスのメディアでは、チームと離れ1人で豪華ホテルに滞在や孤立や単独行動などというマイナスの報道ばかりが紙面を飾っていた。

W杯のオフィシャルプログラムの日本代表の“THE STAR”のコーナーで中田英寿が紹介されていたが、“アジアのベッカム”と称され、「彼の異色さが完璧な広告塔となり、日本のファンと企業に人気がある」などと書かれている……。

 

課題は「プロフェッショナリズムとフィジカル面」

新たにAFCへ加盟オーストラリアが決勝トーナメントに進んだことで、「アジアNo.1の座転落」の烙印を押されてしまった日本。このショックからどう立ち直るべきだろうか。“反省”という言葉を使うのは簡単だが、やはり次大会での“結果”で応えてほしいと思っているファンも多いことであろう。

以前、ある日本協会関係者が、「欧州の代表チームは、ユース世代から“マチュア(成熟)”している」と語っていた。奇しくも、ジーコ監督がブラジル戦の敗因として「成熟していない」ということを挙げた。また、課題として「プロフェッショナリズムとフィジカル面」にも言及していた。

2010年、アフリカ初のW杯となる南ア大会まであと4年――残された時間は決して長くはない。

 

 2006年06月23日 By 斉藤 健仁 氏

http://allabout.co.jp/sports/worldsoccer/closeup/CU20060623A/index.htm?FM=ranks

 

 

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